シグナル
突風がふいた
舞い上がる髪がうるさくて払いのける
周囲に溶け出していたよう曖昧だった輪郭が
ふいに際だって色を持つ
漂うように霧散していた思考を内に引き込んでみれば
私はたったひとりだった

同じ形をした存在も
同じ色を持つ存在もなくて
私は鮮やかなほどにひとりだった

一対全ての対立はひどく頼りなくも
目を見張るほどに潔く

堅く目をつぶる
手を握る
それからゆっくりゆっくり開いた
自由に動く、この体が
全てで、そして、それでいい

世界はとても大きくて
私はひどく微小だけれど

私を作るこの輪郭が
小さく強く輝けばいい

生温い連帯を剥ぎ取って
埋もれていた光を見出だすように
今、強く

突風がふいた
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by ichimen_aozora | 2005-05-30 02:50 | ひとり
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