想い出
 あのころ、黄昏という時間が確かに存在したと、私は今でも思う。

 すべてが金色になって、何もかもがきらきらして、
 ああなんて世界は綺麗なんだろうと思った。
 私はいつもどこかに佇んで、ふと目を転じれば。
 一面の金色。光の洪水。遠い喧騒。
 たとえば屋上で。ベランダで。長い廊下の一番端で。
 時間にしてとても短い、一瞬。
 一日に一度。見逃すのはあまりにも容易い。なのに。
 私は計ったように、よくその光の中にいたと思う。
 それは、今よりまだ子供だった私の思い込みなのか。そうではないのか、わからないけれど。
 そういえば、最近は黄昏時に出会っていない。

 あの頃、私は、何でもできると思ってた。
 何でもできるし、何にでもなれる。
 だから自由だ。と。
 なぜか私は、疑いもなく思ってた。
 
 安定も定住も怖かった。
 止まってしまえば、きっと淀んで腐ってしまう。
 だから、だから、進みつづけるしかないのだと。
 思ってた。そう、思ってたな。
 今はもう、そんな風には思えなくても



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by ichimen_aozora | 2004-09-25 02:38 | ひとり
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