途中
「あなたが思っているより私、もう少し、淋しいのかもしれないよ」
「だから?」
「だからたぶん、あなたに悪い」
 私は卑怯で、その上、過去や思い出を断ち切れない。捨てきれない想いを胸に、何も忘れたくないと思ってる。全部、抱えてさえいれば、大人になんかならずにすむと。信じていた。信じたかった。そんな私の腕を擦り抜けて落ちていった物は、何だったんだろう?
 そして今、私が抱えている物は?
 だけど私は大人になった。あれほど強く願ったのに、子供のかわいらしい感傷だと我知らず目をそらせる程度に。

 本当に、大人になんかなりたくなかったんだ。

 私は何を忘れ、何を犠牲にして、何を放棄したんだろう。あの頃。守りたかったものは沢山あったのに。もう何も、思い出せない。今私は、大切な物など何もないもの。守るべき物は何?行くべき場所は?すべき事は?
 何も忘れたくなんかなかったのに。私は多分。私を守る為に。時間を拒み続けて自分が壊れてしまわないように。私は私を、さりげなく裏切った。さりげなく、それでいて、気付かせないように鮮やかに。
 私は変わらない。だって変わりたいなんて思ってないもの。
 なんてね
 嘘ね。
 変わったわ。



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by ichimen_aozora | 2004-09-26 04:32 | ひとり
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