2005年 02月 22日 ( 1 )
手に入れたもの
付き合ってもうだいぶ経つから、とか、それ以前にもう何年も友達だったから、とか、きっとそんな理由からではないけれど。
あんまり電話はしない。
別に、不満はない。

ずっと前から友達だった、という風に、人には説明するようにしている。
ずっと前って、それはもう本当にかなり前だけれども、別に生まれたときから隣にいたとか言う関係ではなくて、要するに、幼馴染と言えるのかどうかの境界が分からなくてそう言うことにしている。
どちらかというと、幼馴染にはなりたくないと思う。何となく。
腐れ縁、というほど縁があるわけでもないと思う。
ここまで長い付き合いなのは、双方の努力の結果だ、きっと。無意識だったにしても。
だから友達でいい、と思う。
友達だった、でいいと思う。

友達同士、の二人が付き合うに当たってはかなりの労力と思い切りを要する、ということを私は学んだ。
近くも遠くもない関係はぬるま湯のように優しく柔らかく居心地が良くて、わざわざ波立たせるなんて馬鹿馬鹿しい気がしてしまったり。
このままでいいじゃないかと、まぁ数え切れないくらいは考えた。
このままじゃいられなかったから付き合ったようなもので。

緩く優しい距離感の中で、私たちにはほとんどの事が許されていたけれど。
手は繋げなかった。それからキスも。
相手が目の前で泣いていても、見守る事しかできなかった。
引き寄せる事は出来ずに。
もう少し、あと一歩、近づきたいと思ってしまったらもう。
その安全な場所にはいられずに。
よく慣れた存在感、それだけでは。
物足りなくて、もっと直接的な。
熱が欲しかった。
例えば涙で濡れた頬をかばうように、包んでくれる掌の熱。

それが欲しかった。
そしてそれ以上は。
特に求めはしなかった。

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by ichimen_aozora | 2005-02-22 23:53 | ふたり sideA