遠く
 背伸びして、手を伸ばして、空を仰いで、探していたもの。
 どこかにあると、信じていた、どうしてもほしい、最高のもの。
 それがなんだか、わからないまま。



人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-26 01:20 | ひとり
白昼夢
呆れるほど哀しい君の眼が、はらりと翻って妙に光った。冷たい風が髪を揺らして、窮屈そうにポケットを探った。
何も見たくないような、平らかな視線が遠くに逃げて。
届かない、と思った。
どうにも、君には、どうしたって届かない。

ベルが鳴って、ガラスの向こうの君が少し傾ぐ。走り出すスピードを止められる訳もなくて、ただ突っ立って見送っていた。
また逢える日は来るのだろうか?
君は手を振ることもなくて、でも真っ直ぐな視線は僕を刺し、酷く責められている気がしていた。つい怯んだ僕が目を逸らしたのはほん一瞬だったけど、窓越しの君はもういなかった。
失う事は本当に簡単だ。決して元に戻らないものほど、まるで罠か何かのように。さり気なく穏やかに消えて行く。
僕にはそれを止める力などあるのだろうか?
誰もいなくなったホームは静かで、どこにも繋がってないような気がした。
僕は独りで、今までもこれからも、どこまでも独りのような気がした。階段を上れば、本当にそこは見知った街だろうか?
僕はぼんやりと佇んでいる。現実など、永遠にこなくても構わない。



人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 05:57 | ひとり
夏と青と空と夕焼け
 私たちはきっと、互いに臆病で優しすぎて、小さな嘘ばかりついていた。自分を守るために。お互いを守るために。
 それは罪もなく他愛ないものばかりだったけれど、自分ばかりをひどく狭い場所に追い詰めて、私たちは、窒息しそうになって目を背けた。
 ひどく小さな嘘だったのに。
 今なら分かる。守りたかったものはとても些細なもので、そして、そう簡単に失われるものではなかったのだけれど。
 あの頃、私たちは何も分からずに。
 ほんの少し傷付いただけで、粉々に壊れてしまいそうで。
 まるで近づけなかったね?
 思わず伸ばした手が空を掴むだけ。

 君は今頃どこにいるのだろう?
 私は。私はここにいます。
 背が伸びたけれど、空は相変わらず高いままです。
 色々な事が変わったと言うけれど、それでも抜けるように青く見えます。
 君は今頃、何をしているだろう?
 また出会えたらいいのにと心から思っていました。
 何も行動は起こさないまま、私は空を見上げたままで、心から願いました。
 もしもう一度会えたときにそれが奇跡だとか運命だとか思えるように、探さないでいようと思いました。
 私はここです。変らないまま。
 何か、原点のようだと思うのです。
 夏と青と空と夕焼け。
 あなたには伝わるといいなと願っています。




人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆


 
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 05:49 | ひとり
現在
 いつかきっと、遠く、近く、私たちは離れてしまうだろう。
 これは哀しい予感だろうか?私は淡々と考える。
 いつか、きっと、隣りあわせでは歩けない。
 分かっている。分かっているけれど。
 今、繋いだ手を右手に感じる。

 例えば結末が別れしかないなら、手を繋いではいけないのだろうか?
 



人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 05:42 | ふたり sideA
 滑るように静かな流れで、通り抜けていく穏やかな時間に、
 君は一人、立ち尽くしている?
 僕が隣にいることを、君はちゃんと覚えている?
 世界に所属できないように君は、流れの真ん中で歩みを止める。
 伸ばした背筋が潔くて、とても淋しいのだと分かっていた。
 緩慢に振り返る、視線がただ投げかけられる。
 感情が読めないいつもの瞳は、ただ存在だけを主張する。
 君は振り返り、そしておもむろに笑うだろう。
 完全に割り切ったような表情の向こうで、でも君はとても淋しいのだろう。

 冷たい雨に打たれているようだね。
 いつも。いつも。
 冷えた体を気にすることもなく。
 ただ雨の中にいるようだね。

 温まってもいいんだよ?
 誰かが差し伸べてくれた手を取ることは
 決して卑怯ではないんだよ?
 何も弱くなんてないんだよ?

 僕はいつまでも何も出来ずに。
 君の隣に立っていた。
 ここに傘があるんだよ。
 差し伸べる手もあるんだよ。
 ただ振り返った瞳だけが、僕の全てを拒絶する。
 優しく優しく否定する。
 君は笑って、ぞっとするほど
 つめたく冷えて
 僕は動けないまま、立ち去ることも出来ないまま。
 そして傘も捨てられないまま。

 まるで、賭け事みたいな人生だよな。
 そう言って君が笑って、僕は答えを探せなかった。




人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 05:40 | ふたり sideB
想い出
 あのころ、黄昏という時間が確かに存在したと、私は今でも思う。

 すべてが金色になって、何もかもがきらきらして、
 ああなんて世界は綺麗なんだろうと思った。
 私はいつもどこかに佇んで、ふと目を転じれば。
 一面の金色。光の洪水。遠い喧騒。
 たとえば屋上で。ベランダで。長い廊下の一番端で。
 時間にしてとても短い、一瞬。
 一日に一度。見逃すのはあまりにも容易い。なのに。
 私は計ったように、よくその光の中にいたと思う。
 それは、今よりまだ子供だった私の思い込みなのか。そうではないのか、わからないけれど。
 そういえば、最近は黄昏時に出会っていない。

 あの頃、私は、何でもできると思ってた。
 何でもできるし、何にでもなれる。
 だから自由だ。と。
 なぜか私は、疑いもなく思ってた。
 
 安定も定住も怖かった。
 止まってしまえば、きっと淀んで腐ってしまう。
 だから、だから、進みつづけるしかないのだと。
 思ってた。そう、思ってたな。
 今はもう、そんな風には思えなくても



人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 02:38 | ひとり
秋です
 見上げた空があまりにも青くて、なんだか勘違いしそうになる。
 秋だというのに。抜けるように濃く一面に。
 そういえば昨日見た夢はなんだかシュールで切実で哀しかった。
 色々な、色々なすべてのことが、透明になればいいと思った。

 遠く遠く見た彼方に誰を探すとしても自分の姿はよく見えなくて。
 存在の消滅を懐かしく考えた。
 ここで、いま、すべてが、透明になるというなら、
 それはどこか完成しているといえるのだろうか。

 私という存在を考えた。
 間に合うだろうかと切に思った。
 私が追いかけているものはなんだろう?
 そして私を追いかけてくるものはなんだろう?

 ただ、間に合えばいい、と思った。
 すべてはきっと、それからだ



人気blogランキング←ランキングに参加しています。よろしければぺちっとひとつ☆
[PR]
# by ichimen_aozora | 2004-09-25 02:34 | ひとり